若手弁護士の先生向け記事

このカテゴリーの記事は、不動産関連事件に関する経験の浅い若手弁護士の先生に向けて、不動産鑑定の基礎知識や、交渉・訴訟等の進行時に知っておいていただいた方が良い内容をまとめたものです。

執筆未了のものもありますが、下記の目次のようなイメージで随時記事を入れていっています(執筆済のものは記事名にリンクを貼っています)。

また、目次の前(この文章の下)に、概ね月1で更新する不動産に関連するトピックも入れていますので、話のネタ等にご活用いただければと存じます。

 

令和3年9月のトピックです。

今回は、面白いレポートを見つけたので、ご紹介しつつで進めて参ります。レポートというのは、みずほ信託銀行が発行している不動産トピック2021年8月号です。

内容の主題は、昨今の賃貸不動産市況(東京オフィスの空室増加・賃料下落が、その他の地方より顕著等)なのですが、最終ページにオフィスの継続賃料に関する分析・調査が掲載されています。継続賃料にかかるこの種の情報が出るのは非常に珍しいので、内容を見ておきたいと思います。

結論を端的に抜き出しますと、調査対象とするJ-Reitの保有オフィス物件(=一軍の物件)のうち、「増額改定割合(増額改定した床/更新対象貸床)が15%~71%」・「減額改定はほとんど行われていない」とのことでした。

この結果は、オフィス賃料が下がってきているとはいえ、直近合意賃料との兼ね合いでは、まだ増額余地がある場合が多いということを如実に表すものと言えるでしょう。

尚、増額改定割合については、上記に示した定義と、母集団に定期借家が多いことは踏まえて考えておく必要があります。これらからすると、コロナ前なら増額改定率は100%に限りなく近かったと思われますが、15%~71%にとどまっているのは、空室率の上昇・新規賃料の下落を反映してのことでしょう。

このようなバランスの中で、「だから今のうちに増額を!」というオーナーさんが多いというのが、昨今の『賃料増額がやたら多い』という状況と言えるのではないでしょうか。

目次

不動産鑑定評価(価格評価)の基礎知識

継続賃料・賃料交渉の基礎知識

継続賃料・賃料交渉の実践論

その他

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